夫のことはもちろん大好きだから結婚したんだけど
決定打が別にあったこと

夫と付き合っている時、家に招かれて遊びに行った
まだ結婚の挨拶じゃなくて、紹介程度
夫の家は犬を２頭飼っていて
それは義母（当時は義母になるかもしれない人）が拾ってきた、元捨て犬だったって話は聞いていた

家に上がると、義父母と、人なつこそうな２頭の雑種犬が迎えてくれた
おとなしくて躾もよくされていて、手並みもツヤツヤ
義母のことが大好きなようで、義母が座るとすぐ両脇に寄り添う
なでさせてもらいながら義母に「ワンちゃんたち、何て名前なんですか？」と聞いたら
「こっちのメスがステファニー、そっちのオスがスティーブン」
「えぇー！カッコいい名前ですねえ！お好きな俳優さんの名前とかですか？」
「ううん、捨て犬だったから」
「へ？」
「捨て犬の『ステ』よ」

拾ってきた当初は、２頭まとめて「ステー！」と呼んでいたんだけど
保健所に登録するのに、一頭ずつの名前が必要になって
どっちも「ステ」と呼べる名前を考えた結果、こうなったんだそうだ
ちなみに、日本犬の雑種で、ふつうなら「太郎」とか「シロ」とかになりそうな顔

義母のこの思考経路に私はすっかり撃ち抜かれてしまった
ドライで雑でいい加減で、かつ愛情深い（犬たちと夫の育ち方を見ればわかる）
私は「義母さんとなんとかして親しくなろう」と決意
「息子の嫁になれば、そこらの友達や親戚より話す機会は増える」と考え
夫に積極的に迫って、めでたく結婚できた
同居ではない（義父母とも「結婚したら別家庭」という考え）ので
時々口実を作って訪ねて、義母さんにステ２頭と一緒に遊んでもらっている

欧米の映画を見ていて、ステファニーやスティーブンという名前の俳優さんが出てくると
つい笑ってしまう