日. 11月 24th, 2024
822 :殿堂 2016/08/18(木) 14:49:20 ID:2y13l3CQ0.net
1/4
数年前結婚した年のお盆休み、嫁の実家に泊りがけで行った時のこと。
嫁実家はΦ國地方の山の中で、最寄りの高速インターから2時間ほど走った所。

生まれも育ちも大阪、両親の実家も市内にあった俺にとっては、
夏の田舎の景色は新鮮で楽しかった。嫁実家の周囲を堪能した翌日は、
もうちょっと足を延ばそうと、嫁と二人車で出かけた。
ナビも使わず適当に車を走らせて、周囲の景色を楽しんでいた。
低い峠を越えて1時間ほど走ると道がぐっと細く、疎らな家々もみんな
空き家のようになっていった。道沿いの田んぼもほとんどなくなった。

「もうそろそろ戻ろうよ。このままだと本格的に山の中に入っちゃうよ」と嫁。
そだな、と方向転換できる場所を探そうとゆるゆる行くと、
無舗装のわき道を見つけたのでそこへ頭を突っ込んだ。
前方は山裾から休耕地というのか、草ボウボウの広い空き地が広がっており
そこに道が続いていた。
そのぽっかり開けたところの真ん中がキラキラ光っているのが見えた。
「あれ、なんだろ?」「池かなんかでしょ。早く戻ろうよー」
「いや待て待て、なんか綺麗だし」と構わず車を進めると確かに小さな池だった。
6時にはなっていなかったと思うが、後ろの山に陽が落ちかけて、
青く沈んだ山の手前にある池が夕日でキラキラしていたのだった。
「おー綺麗やな!ちょっと車降りて見てこようよ」と俺。
嫁は「池なんか見ても仕方ないし。ここで待ってる」
とのってこないので、行けるところまで車を進め、嫁をおいて一人で車を降りた。
続きを読む