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561 :ちわわ 2019/05/22(水) 23:12:10 ID:KAJ2vBJD.net
大学生の頃、斎場でバイトをしていた。
通夜と葬儀の間の一晩、ご遺体のある部屋で遺族の方が泊まる部屋の管理や
ちょっとした遺族の方の用足し、電話番なんかが仕事。
あるとき百歳近い方が亡くなって、その葬儀の喪主の男忄生、亡くなった方の息子さんが
六十代なんだろうけど病気で足腰が弱く、常に奥さんや息子さんが
支えていないと歩けず、ちょっとした段差を踏み越えることも出来ず、
口が上手く閉められないらしく常にマスクをしており、言葉もほとんど俺には聞き取れないという方だった。
当時二十歳くらいの俺的にはその喪主の方はヨボヨボのおじいさんという印象だったので、
その方が喪主挨拶でものすごく聞き取りやすい歯切れの良い声で朗々と演説をしたことに腰を抜かすほど驚いた。

失礼ながら喪主は本当に体が弱っている方だったので、
喋ってもヨボヨボなんじゃないかと俺は思っていた。
でも頭の方は(この言い方も失礼だけど)完全に年相応で、
体を壊して引退するまでは大学教授だったらしい。
マイクを通すと演説慣れ話慣れしていることがありありと分かる理路整然とした口調で故人の思い出を語っているのを聞いて、
自分の先入観が恥ずかしくなったし、精神や頭脳に関係なく体が衰えてしまうことがとても衝撃的だった。
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