水. 12月 4th, 2024
609 :殿堂 2013/06/25(火) 18:19:43 ID:Fd9WxGS3
俺は美大を目指して浪人していた。
受験の時、試験会場に向かうために
画材を詰めた鞄とリュックをかついで電車に乗った。
地下鉄への連絡通路を歩いていると、
「君、ちょっと待ちなさい」と肩をたたかれた。
「ちょっとそのバッグの中を見せてくれますか?」
警察だった。時期はオウム地下鉄テロの直後だった。
俺が鞄を見せると、警官たちの顔に緊張が走った。
俺は油絵志望していたので、色々な画材を鞄に入れていた。
粉の入ったビンとか、粒々の入った袋とか、
透明な液体、褐色の液体、ペースト状の何か、などなど。
普通に画材なんだが、絵を描かない人にとっては
わけのわからない物体で満載だったろうw
警「説明してもらっていいかな?これは何ですか?」
俺「テレピン油です、蜜蝋です、メディウムです、ダンマルガムです」
警「ダ、ダンマ…それは何ですか?」
俺「油絵の道具で、これから入試で」
画材の説明を必タヒでして受験票を見せると納得してくれて
俺はやっと解放された。周りには人だかりが出来ていた。
地面一杯に広げられた画材を涙目で鞄に押し込んで会場に向かった。
試験は落ちた。
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