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610: 名無しの心子知らず 2013/10/16 15:11:44 ID:w927CV1E
数十年前の母の話です。 

父の叔父の葬式に出かけた両親、当時は自宅での葬儀だった。 
告別式のあと、母を含む女性4~5人は喪服(着物)からすばやく着替えて、 
台所の手伝いしていた。 
脱いだ着物はそれぞれハンガーにかけ、納戸の鴨居につるしておいたそうだ。 
やがて食事がすんで、遠方の親戚や薄い親戚から「では、お先に」と帰っていき、 
家が近い上、お手伝いの中でも若かった母は最後まで残った。 

最後に母が帰ろうと、一枚だけ残っていた喪服を手に取ると、 
自分のではない明らかに粗悪な生地の喪服だった。 
その家の嫁さんAに、誰かが間違えて帰ったので電話で確認して欲しいと頼んだ。 
するとAは「そんなものを間違えるはずはない」と言ってとりあってくれず、 
Aの着物だけでも確認してくれと言っても無視された。 
母は泣く泣く残されていた着物を持ち帰り、父に事情を話した。 

母はなだめられても、Aに盗られたに違いないと言って聞かなかった。 
その理由は日頃から手癖が悪かったから。 
借りパクはあたりまえで、いろいろ香ばしかったらしい。 
鴨居につるす時も、わざと他の人と反対側に掛けて間違えられないようにしていたから 
他の人はうっかり間違えるはずはないとも言っていた。 
当時、Aの息子と私は幼稚園の同じ組だったので、父はもうあきらめなさいといって 
新しく買ってあげたそうだ。もともと持っていた着物よりもワンランク上のものを。 

先日Aの息子が、まだ若いのに急逝したと聞いたので、厄落としのため書かせてもらいました。 
はたしてAが息子の葬儀で着たのは、母の喪服だったんでしょうか。

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