96 :名無しさん@おーぷん
今でもあれは現実だったのだろうかと不安になる話。
もうすぐ3月になろうかという肌寒い時期のことだった。私は別れた彼氏に会っていた。貸したものを返してもらって、全て清算するためだった。
「それじゃ」
私をふり、元カノとヨリを戻した彼氏は冷たく素っ気なかった。踵を返しさっさと帰っていく後ろ姿を見て、(あーあ、これで私とあの人をつなぐものは何一つ無くなってしまった)と心底悲しくなった。
うっかりすると道端で大泣きしてしまいそうで、急いで駅に向かった。涙の滲んだ目に晩冬の風がしみる。なんとか涙の粒がこぼれる前に駅に着くことが出来た。
改札を抜け、ホームまでの階段を昇る途中、(失恋した後に涙を拭きながら電車に乗るなんてドラマみたいね)と自嘲した。
もうすぐ3月になろうかという肌寒い時期のことだった。私は別れた彼氏に会っていた。貸したものを返してもらって、全て清算するためだった。
「それじゃ」
私をふり、元カノとヨリを戻した彼氏は冷たく素っ気なかった。踵を返しさっさと帰っていく後ろ姿を見て、(あーあ、これで私とあの人をつなぐものは何一つ無くなってしまった)と心底悲しくなった。
うっかりすると道端で大泣きしてしまいそうで、急いで駅に向かった。涙の滲んだ目に晩冬の風がしみる。なんとか涙の粒がこぼれる前に駅に着くことが出来た。
改札を抜け、ホームまでの階段を昇る途中、(失恋した後に涙を拭きながら電車に乗るなんてドラマみたいね)と自嘲した。