ある年のＧＷ直前に友人から恋愛相談に乗って欲しいので友人宅に泊りがけで来てくれないかと
電話があった。友人宅（実家）に泊まるのは迷惑だろうと思い最初は断ったのだが、是非ともと
言われてしぶしぶ出かけた。ＧＷの新幹線は無茶混みだった。

Ｏ駅で降りて駅前で友人と落ち合うと女の子と一緒だった。お、これが片思いのお相手かと
思っていると友人が小さな声で「凄く親切で良い子なんだ。俺の親なんだよ」とささやいてきた。
親？　お前は何を言ってるんだ？　と混乱していると、そのまま車に乗せられどこかのホールの
ような場所へ連れていかれた。大勢の人がいた。ア○ウェイの１泊セミナーだった。
女の子は親会員だった。

車のない俺には逃げようもなかった。素晴らしいステン乚ス鍋のセットがあると勧められ、値段を
聞くと３０万円だった。そんな大金は持っていないと断るとローンの用紙を取り出し月々たったの
１万５千円ですむんだよと１晩中説得され、ついに俺は陥落した。しかも入会までさせられた。

翌日、再び無茶混みの新幹線で帰ったあとは、子会員のフォローという名目で友人から商品販売の
督促がガンガンきた。しかし、それも１か月足らずのことだった。６月初頭、友人は電話で「失恋
したのでア○ウェイ止める」と言ったきり、連絡が途絶えた。それ以降、年末まで１回も連絡がなかった。
落ち込んでるのかなと心配し、さりげない言葉をつづった年賀状を送ったが、それに対してさえ
返事がなかった。

長いと言われたので続く