土. 11月 23rd, 2024
492 :殿堂 2006/02/13(月) 05:50:13 ID:Ksv7Zq5b
俺には母親がいない。
俺を産んですぐ事故でタヒんでしまったらしい。
産まれたときから耳が聞こえなかった俺は
物心ついた時にはもうすでに簡単な手話を使っていた。

耳が聞こえない事で俺はずいぶん苦労した。
普通の学校にはいけず、障碍者用の学校で学童期を過ごしたわけだが、
片親だったこともあってか、近所の子どもに馬廘にされた。
耳が聞こえないから何を言われたか覚えていない(というか知らない)が
あの見下すような馬廘にしたような顔は今も忘れられない。

その時は、自分がなぜこんな目にあうのかわからなかったが、
やがて障碍者であるということがその理由だとわかると
俺は塞ぎ込み、思春期の多くを家の中で過ごした。
自分に何の非もなく、不幸にな目にあうのが悔しくて仕方がなかった。

だから俺は父親を憎んだ。
そしてタヒんだ母親すら憎んだ。
なぜこんな身体に産んだのか。
なぜ普通の人生を俺にくれなかったのか。

手話では到底表しきれない想いを、暴カに変えて叫んだ。
ときおり爆発する俺の気持ちを前に、父は抵抗せず、
ただただ、涙を流し「すまない」と手話で言い続けていた。

その時の俺は何もやる気がおきず、荒んだ生活をしていたと思う。
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