かなり昔の田舎の幼稚園の話
長文だし子供が可哀想な目に遭うので苦手な人はスルーで

毎年、年長がキャンプで一泊をするという行事があった
そこで事故が起こり一人の男の子が亡くなった
当時、俺は小学生だったので亡くなった子のご両親と幼稚園の間で何があったのか知らないが、とりあえずその幼稚園は今でもある
亡くなった子の担任（女忄生23歳ぐらい）は事件の数日後に幼稚園を辞めた
担任の女忄生はこの田舎出身で、隣県の短大に行って保育士資格を取り、卒園したこの幼稚園で先生になりたいと言って戻ってきた
女忄生の母親がうちの母親とご近所付き合いしていたので名前と顔は知っていた
交流は全く無かった
なので、事件後からうちの母親からよく担任の女忄生の話を聞いていたというか、聞かされていた
担任の女忄生は事件が起こり、徐々に壊れてしまったそうだ
今はもう全く部屋から出てこず、時々部屋の中からごめんなさいという泣き声だか叫び声が聞こえるそうだ

事件が起こって数ヶ月後、季節は冬の始まりだった
学校が終わって友達と公園に行ったら、担任の女忄生がブランコに座ってボサボサの髪でピアノを弾いているジェスチャーをしながら、雪やこんこと歌っていた
時々、顔を左右に振りながら、○くんピアノの音を聞いて！とか○ちゃん声が大きくて素敵！とか言ってた
俺と友達は公園に入れなかった
別のところに行こうと言われて頷くことしかできなかった
担任の女忄生はそれから頻繁に公園に出没する
時間帯はまちまちだった
朝のときもあれば夕方のときもある
昼や夜のときもあるのかもと思った

友達は女忄生の神出鬼没さに面白がっていたが、俺は知り合いみたいな人だったし、なによりも女忄生は可愛い顔だったのでだんだんいたたまれない気持ちになった