日. 11月 24th, 2024

298 :修羅場な話 2019/05/21(火) 02:53:12 ID:CBXbiSW90.net
今しがたあって震えがとまらない。
キ印の戯れ言として吐き出させてくれ。

私は今年度付けで超のつく田舎に移り住んだんだが、仕事終わりに仕立てたスーツを受取りに繁華街まで車で往復してきたんだ。
片道1時間半以上はかかるので、夕飯を食ったら帰り着くのは日付が変わった頃。
今回はコンビニで仮眠を取ったので、とっくに日付を跨いでいた。

そのまま1時間近く運転し、もう少しで家というところで信号に捕まった。
前に一台ハッチバックが停まっている…と、右側からのそのそと先の曲がったマッチ棒の様なものがすり寄ってきていた。

曲がった頭の高さで歩行者信号くらいあったので、その時点で3mは越えているのではないか。
それはすぐ脇の中央分離帯まで来ると、老眼の様な仕草をしながら前の車を覗き込んだ。
車と顔の距離はそこまで近くはない。
と、すぐに確認し終えたのか同様の仕草で私の所にも来た。
「来るだろうな」と漠然と思っていただけで覚悟は出来ぬまま、そいつと相対する。
いつのまにかそいつがこちらを見ているのを見て硬直する。
そいつの顔はパッと見デフォルメした赤ん坊の様だったが、そいつが体をくねらせて信号の光が当たると、揚羽蝶の幼虫(あれは胴体の方が頭より細いが)に口だけ人間のものを着けたような歪なものであるのがわかった。

その唇が不規則に動き、ブツブツと何か言葉を紡いでいるのが分かる。
時折母音の様な音が聞こえるので、おそらくは意味のある言葉なのだと思う。

私は硬直したまま、「見えてませんよ」とばかりにそいつ越しに信号をガン見し続け、そいつが去った後も振り返ることなど出来ず、ミラーすら確認せぬまま帰宅した。
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