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78 :鬼女日記 2014/02/16(日) 22:27:49 ID:G1w8+PBfP.net
中学の頃、とある女の子と友達になった。引越しに引越しを繰り返しているそうで
(親の仕事だろうなと、思っていた)いつまで、ここにいられるかわからなんだ、と
言っていた。妙に馴れ馴れしいのだが、そこがかわいくて憎めない。
そして、手作りクッキーだの、これ美味しいから、と振舞うから益々まわりは
憎めない。特に私には馴れ馴れしかった。いいんだけど。
私はある事に気付いた。彼女に対して悪い印象を持った人は成績が下がったり、登下校
中に、不良(古いなー・・・今は何て言うんだろう)にからまれてお金を取られたり。
逆に彼女に好かれた人は漫画雑誌の懸賞に連続して当たったり、財布を拾ったり
思いがけないお小遣いをもらったり。
私だけが気付いていた。人に話しても笑われた。そして、「それ」を話すたびに
何かの気配がある。しばらくして、霊感の強い叔母が九州から来て、私を見るなり
「あんた、イヌガミが憑いてるね」何のことかわからなかった。何しろ、今みたいに
ネットはないし、本だって本屋になければそれまで。
「だけどあんたは大丈夫だ。」そう言って帰っていった。
20年以上たった最近、ふとしたきっかけで「そういう事がわかる人」に出会った。
いきなり「あなた、イヌガミ憑いてますよ」イヌガミ?何か聞いたことあるな・・・と
今は亡き叔母のことを思い出した。「言われました!それ!20年も前ですけど!」
「あんた、イヌガミ憑きと関わったね。その人から色んなものをもらっただろう。
食べただろう?覚えとくといい。憑き物筋はやたらとモノを送るんだ。動物を乗せる
道を作るためにね。みんな、短命だったり、いきなり不幸になったり。だけど
あんたが平気だったのは、四国犬を大切にしてたね?四国のモノには四国のモノだ。」
誰にも懐かない四国犬が隣にいた。が、私にだけは懐いてくれていて本当の友達だった。
初めての友達だった。
イヌガミとは何か、そこで初めて知ってぞっとした。そして私だけが無事だった不思議の
謎も解けた。「私、生まれは四国なの」とサラッと言ったことも突如にして思い出した。
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