日. 11月 24th, 2024
342 :きまぐれ鬼女 2016/01/23(土) 07:53:26 ID:Iyb
昨日、サングラスを掛け白い杖を突いたお爺さんが広い交差点に差し掛かるところだったので声を掛けたんだ。
「何かお手伝いしましょうか?」と言ったつもりだったんだが、俺の口から出たのは
「らにふぁおれうらいひやえやえぇぇ!?」(後半は自分の声に驚いている)

親知らずを抜く時に麻酔の効きが悪かったんだが、追加の麻酔が後になって効いてきていた。
鼻から下の感覚が全く無し。
発声に口の動きが付いていかなくて思った以上に喋れない。

「ちらうんれすぅ、まういがっ、まぁすいがっ、きいてんまぁしてぇ……」
みっともないことこの上ないが今更になって後には引けない。
阿呆のような口の利きようのまま、ゆっくり喋らせてもらって、どうにかお爺さんを案内した。

「こぉれはまた、むぃっともんなぁいとっころを……」
もーだめだわ、これ。喋るのは止した方がいいな……と思っていたら、お爺さんが言った。

「どうもありがとう。日本語にも随分慣れたつもりだったが、流石に少し難しかったなぁ。
 でも苦労したあなたには申し訳ないのだけれど、言葉が通じにくいのが面白かった。
 日本に来たばかりの頃を思い出したよ。五十年前から変わらず、あなた方には親切にして貰ってばかりだ。
 本当にありがたいですよ」

「うわ、おじいっさん、んにぃふぉんご、じょおずぅ!」

奥歯を抜いたばかりの日本人が流暢な日本語を喋るΦ國人とふたりで笑い合った話でした。
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