土. 11月 23rd, 2024


前編 後編

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キチママちゃん : 2016/01/15(金)11:49:15 ID: ID:X3u

落ち着きも取り戻した頃、祖父は口を開いた。

祖父「大体、お前らが俺に何をしてくれたか覚えているようだ。

だから家に社員が来た時も覚えている。
俺は、その社員が家に来た様子で何をしたかも覚えている」

自然と背筋が伸びた。
かつて見た覇気溢れ威厳を持っていた祖父だった。

そんな祖父が最後の最後に。

「……ただ、夢だったら、と思っていた」

実に寂しそうな祖父の姿がそこにあった。
そこだけ雨が降っているかのようにどんより沈んでいた。

祖母が「ご苦労をお掛けして申し訳ございません。私もしっかりしてたら」と言うと、

祖父は「誰が辛い苦労している以前に(叔父)が悪いんだ。
それよりもここ最近は良くなったのか?俺はその後が気になる。
俺の前だけ良くしていた訳じゃなければいいだが」

そこに関しては、最初の一年はギクシャクしたが、上手く行っていることを伝えた。
俺も就職したし、家の方は取られることもなく上手く行っている、と。

祖父はニッコリして「そうか、俺はお前らに感謝しかできないなぁ」と言った。
そこで祖父はようやく涙を流し、重く深く頭を下げた。

背後の心拍計の数字が見る見るあがっていたので、祖父の心中は察することができた。

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By elitola