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142 :きまぐれ鬼女 2016/10/04(火) 11:57:47 ID:jZG
大学時代、軽食を出す店でアルバイトしてた。
職場にはAさんという明るくて誰にでも親切な子がいて、職場の人気者だった。

ある時そのAさんが、通ってる大学のキャンパス移転に伴ってバイトを辞めることになった。
辞める前に一番にその話を聞いた私は、「Aさん辞めるなんて寂しい、みんなに声掛けて送別会やっても良い?」と訊いた。
Aさんは笑顔でうなずき感謝した後、急に顔を曇らせ「・・・みんな、ってみんなですか?」と言った。

Aさんが何を言いたいかすぐわかった。
Aさんの仕事のささいな失敗を延々あげつらったり、私服のセンスがどうとかネチネチ陰口を叩いてるBという奴が職場にいた。
「Bさんは呼ばないよ、大丈夫」と言うと、Aさんは「良かった、すいません」と喜んでた。
そして後日、Aさんとシフト時間がかぶる親しかった数人で飲み屋に集まって楽しい送別会をして、Aさんは辞めて行った。

その数日後、バイト帰りに国道沿いの道を歩いてると、Bが暗がりから急に現れた。
何を言ってるのか車の音でよく聞こえないけど、すごい剣幕で怒ってた。
腕を急に掴まれたので怖くなって、ちょうど車の通りが切れた国道をダッシュで渡って逃げた。
渡り切って間もなく、うしろで鈍い音がした。

Bが軽の車に跳ねられた音だった。
軽の運転手と一緒にBを道端に寄せ、救急車に乗せた。
警官も来たので、一連の事情を伝え、Bの身内の連絡先を知ってるオーナーに連絡し、オーナーが後は引き受けてくれた。

出来事の後、親と相談して、バイトは辞めることにした。
ちょうど就職活動や卒業論文の準備を始めるのために近々辞めることを考えてた所だった。
バイト先のオーナーには引き留められたけど、「Bさんに逆恨みされると怖い」というと納得しているようだった。

オーナーが他のバイトから聞いた話では、BはAさんに色々ちょっかいを出して気を引こうとやっきだったらしい。
オーナーがBの態度を注意しても「女は褒めてくる男より、けなす男の方が気になって好きになるらしいと雑誌で読んだ」ということをニヤニヤと言ってた、と。
そしてBは送別会も当然出たかったのに、主催の私が誘わなかったことを恨んでいたという。
送別会に出ていれば、別れの時なのだからAさんがBに「もう会えないなんて辛い」と告白してきて、そしたら付き合ってたかもと愚痴ってたとか。

Bは大した怪我でなかったのか、一週間後にはバイトに戻って来たらしい。
私はその時もう辞めてたのだけど、周囲には「○○(私)が俺のこと好きで、Aと俺の仲を裂こうとして、俺がそれを怒った。
だから今回の事故はまあ痴話喧嘩みたいなもん」と職場で言ってたらしい。

「だから、Bも君を全然恨んでないみたいだし、職場戻ってくるかい?」とオーナーから電話があり、
「絶対に嫌です」と答えた。
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