金. 11月 22nd, 2024
117 :名無しの心子知らず 2006/04/18(火) 18:52:41 ID:7e1qNUDp
20世紀最後の大晦日。

店内は大変賑わい、レジに10人ぐらいの行列が絶えないほどめちゃくちゃ忙しい
昼さがりの事である。
バイト君と一緒にレジに入ってた僕に、横から老婆が話しかけてきた。
「すみません。ボールペン貸してください。」
僕はすかさず「何に使うんでしょうか?」と尋ねると、
「そこの旅行書に載ってる温泉の電話番号をメモしたいんです。」
と、この時点で『終わってる』内容の事を話かけてきた。
当然、「お客さま~。当店は本を展示する事を目的として営業しているワケでは
ありませんので、そういう事はお買い上げになってからやってください。」
と、丁重にお断りした。
すると、この老婆は素直に引き下がって娘らしき女のところへ戻ったが、
「貸してくれなかった・・・」「ボールペンぐらい貸してくれても・・ブツブツ」
などと文句を言ってるのが聞こえた。
その後その親子はしばらく旅行書を立ち読みしたあと、店内を一回りしてレジ前を通過して帰って行った。
その時、レジがますます混雑してきたので集中してレジを打ってると、一緒にレジに入ってるバイト君が
不思議そうな顔をしているのに気づいた。
どうしたのか聞くと、「さっきの親子。そこの棚のところを曲がる時までは本を1冊持っていたのが見えてたのに、
すぐ後にレジ前を通る時には何も持ってませんでしたよ。」
慌ててレジを飛び出し、ダッシュで2人の跡を追ったがすでに消えていた・・・・。

バイト君が言うには、その本はオレンジ色の表紙だったという。
娘のほうが立ち読みしてた場所に平積みにしていた本だ。
とんでもない親子である。
本の内容を書き写せないのならば、盗んでしまおうってんだから・・・。
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