日. 11月 24th, 2024
第一話はコチラ



153:昔 ◆JRps2MHPuE04/12/12 00:13:23 ID:???
俺は面倒くさいことが嫌だった。
黙り込む、という手段で、
彼女の言葉を奪っていたんだと思う。

俺の住んでいる地方は
(他もそうかもしれないが)
嫁に来たらまず近所に挨拶回りして、
ご先祖様の墓参りをするらしい。
俺はこれを知らなかった。

新婚旅行の翌朝
彼女は
「ご挨拶回りするなら、
着物に着替えないとダメですよね。」
とお袋に言った。
お袋は、
「このへんで近所に挨拶回りする嫁なんて訊いたことも無い。」
と笑った。

俺は披露宴に隣人ということで
ご近所がほとんど来ていたので、
そんなもんかと思った。
彼女は不審そうであったが、
それ以上は何も言わなかった。
「じゃあ、お墓参りにいくのじゃない?」
と言ったが、お袋も何も言わなかったので
「まぁいいんじゃないの?」
と流してしまった。
それは大失敗だったことが後からわかった。
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By okan777