月. 11月 25th, 2024


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111 賢治:04/05/26 08:53 ID:Dha0E2IC
むしろこの耕司には同情さえしていた。
一緒に暮らしながら通代が風に勤めているのを黙認するような男でもあるがすべてみな通代に主導権があったからである。結局、数ヶ月後にこの男は生まれ故郷を出て逃亡してしまうのだがそれもこれも・・・あの通代に関わったからだ。

「ど、どうしたんですか!」
「ちょっと車の中ででも話そかぁ」
驚きながら、私の左手を見るのを放っといて外へと促した。
車の前で、血のたまった袋を手からはずし地面にはなすと
「バシャッ」と落ちて、ゲル状に固まりかけた血がドロッと袋から流れ出た。これ見よがしの演出であるが、この男に効果は充分であった。
気の小さなこの男はきっと、この後の話し合いに駆け引きを持ち出す余裕はもうないであろうと確信した。
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By elitola