日. 11月 24th, 2024
517 :おさかなくわえた名無しさん@ 2014/05/03(土) 19:15:53 ID:eJsyXpV4
20歳ぐらいの頃、見ず知らずのイケメンにガン見されたことがある。

ある駅前からバスに乗り、1人がけのいすに腰をおろしたら、
発車まであと少しというところで、自分と同年代と思われるイケメン青年が乗ってきた。
私と一瞬目が合い、空席がなかったので手近のつり革に一旦つかまった後、
なぜか顔だけこちらを向けて、じーっと見てくる。
いやいや、自惚れちゃいかん。ほかのもの(とか)が気になるんだろうと気にしないようにしたら、
発車間際にちょっとした人ごみをかき分け、なぜか私の席のすぐ脇のつり革まで移動してきた。
さすがに偶然とばかりは思えなかったので、青年の方に顔を向けたら、
私と目が合っても全く目をそらす様子がない。というかひたすら見てる。
それでいて話しかけてくるわけでもない。
走り出してからちらっと何度か盗み見ると、前を見たり、こちらを見たり。
「つき合ってくださいとか言われたらどうしよう。もうすぐ就職で東京を離れるから遠距離になるしー」とか
恥ずかしい妄想を膨らませた矢先、青年が降車ブザーを押した。
何だかいろんな感情がないまぜになって、はあっとわかりやすいため息をついてしまったら、
青年が今度は覗き込むように見てきた(しかし話しかけはしない)。
で、何事もなかったかのようにバスを降りていった。
車窓越しに目が合っても、やっぱり目をそらすことはなかった。

私が降りる予定だったところより二つ前で降りたのだが、
よっぽどそこで降りて後を追い、なぜあそこまでガン見してきたのか聞こうと思った。
それができなかった今となっては、あれこれ理由を想像するしかないが、
じき30後半の喪女になった今となっては、人生唯一のときめく記憶といえなくもない。
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