木. 11月 21st, 2024
562 :名無しさん@おーぷん
母親から逃げるために、弟と妹を生け贄にしたこと。

うちは両親がちょっと特殊な仕事をしていて、私は「どちらかの跡取り」になることを義務づけられていた。
物心つく前から「将来は◎◎か、△△になるのよ」と言われて育ち、そのための英才教育を徹底的に仕込まれた。
読書以外の娯楽は一切禁止で、友達と遊ぶ事も許されなかった。
幼稚園から帰るのが嫌で「家に帰りたくない、ずっと幼稚園にいたい」とダダをこねたことを、今でもよく覚えている。

小学校1年生のときクラスメイトが、
「妹が生まれてから、両親が妹にかかりっきになった。妹のことばかりで、自分はほったらかしにされている」と言うのを聞いた。
「弟か妹が生まれれば、両親は私をほったらかしにするかも」とひらめいた私は、帰宅してさっそく両親に「弟か妹がほしい」とねだった。
両親としても、跡取りは2人(「父方の職業を継ぐ子」と「母方の職業を継ぐ子」)必要なので、いずれは…と思っていたらしい。
私は両家の祖父母&従兄弟にも働きかけ、「やっぱり一人っ子は…」「兄弟はいたほうが…」と誘導してもらった。
そして私が小学校3年生のときに弟が、小学校6年生のときに妹が生まれた。

私の思惑通り母は弟と妹にかかりっきりになった。
そして私はそれとなく、弟と妹がいかに優秀か、自分よりいかに優れているかを両親と弟妹に刷り込んだ。
「弟は私より◎◎に向いてると思う」「私なんかより妹のほうが、ずっと△△がうまい」と言い続けていたら、
いつの間にか弟も妹も本気になり、私が大学受験を迎えるころには「跡継ぎになりたい」と自分から志願するほどになった。
両親は弟と妹を跡取りにし、私は晴れてお役御免となった。
「お前には悪いが、お前は跡取りとして認めない。弟妹に継がせるから、お前は自分一人で生きろ」と言われたときの開放感は忘れられない。
遠方の大学に進学し、そのまま就職して結婚して、今に至る。

2人とも立派な跡取りになり、「お姉ちゃんが譲ってくれたおかげで、天職に巡り会えた」と喜んでくれている。
譲ったんじゃなくて押し付けたんだ。巡り会えるように洗脳したんだ。
自分の人生を守るためにしたこととだから後悔はしてないけど、今でも申し訳なく思っている。
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