結婚して妻は仕事をやめた。
職場の上司が気持ち悪いから
仕事辞めたいとはずっと言っていた。
上司という人は、気に入った女性をえこひいきする人で
当時妻はとても気に入られていた。
そればかりか仕事外でもお酒の席に誘ったり
断ってもしつこくいい寄ってくるような
今で言うセクハラ+軽いパワハラを行う人だった。
当然妻は上司のさらに上役に訴えたが
これでも上司は仕事だけは出来る人で
女性は腰掛けという風潮がまだ残る時代だったので
嫌ならやめたらとなり、結婚することもあってやめた。
結婚することは伏せておくべきだったが
当時の流れではやめる=結婚退職、だったので
結婚のことは言わざるを得なかった。
檻の中というから、今回は完全にストーカーだったんだろうけど
あれって捉える側の意識だからなあ
ただしイケメンに限るってずるいわ
なにより俺と結婚する予定でいたので
男として全く眼中になく、さらに上司としても
仕事はできるがそれ以外が気持ち悪くて受け付けないと言っていた。
結婚後しばらくしてから、郵便物が届かないことが多くなった。
届くはずの請求書が届かなかったり
結婚式の返事まだかよと電話が来たりと
おかしなことが続いたので郵便局に問い合わせたが
郵便物の紛失は確認されなかったとのこと。
郵便物に関しては盗もうと思えば盗める状態だったので
局留めに切り替えて対応してみることにした。
そのうち、妻が「常に人の視線を感じる」と怖がるようになった。
最初、住んでる家に幽霊でも出たかなと思ったが
郵便物の件もあったので、ストーカーじゃないかと疑うようになった。
だとしたら、心当たりがひとつあるが、それを確かめる方法は
ストーカー本人が誰なのかを特定するしかない。
まだ監視カメラの設置が一般的じゃなかったので
ビデオカメラをうまい具合に設置して、あまり長くない録画時間の間に
うまく相手を捉えることができたら儲けものの気持ちで設置して
妻にはなるべく出歩かないことと
電話に出るときは常に録音するようにと伝えて
しばらく様子を見ていた所、
うまい具合に家を伺う不審者の姿が写った。
案の定それは妻の元上司だった。
しかし、通常なら働いている時間に家を見張っていることに驚いた。
仕事をやめたのかクビになったのか知らないが
とにかく現在の彼は我が家を見張ることを仕事にしていたらしい。
俺が出勤した後に見張りを開始し、夕方に撤退しているようだった。
警察に相談した所、家の見回りを増やしてくれると言ったが
被害がまだ出ていないこともあって警察はあまり積極的とは言えなかった。
元上司の現状を問い合わせた。
どうも最近うちの近所で妻につきまとってるようだが
その事は知っているのかと尋ねてしまった。
次に元職員だかなんだか知らないが
いい加減なことを言うと訴えると言われ
最後に結婚の約束を破っておきながら何を今更と言われた。
なんだか知らないが、はこちらが言いたいぐらいだった。
妻は俺との結婚をするために退職したと伝えていたはずなのに
どういうわけか、元上司との結婚の約束を破って俺と逃げたという話になっていた。
更に、妻は二股をかけていて、元上司は騙されていたことになっていた。
冗談かと思ったが、担当者という人がそう言ったので
相手は本気でそう思っているらしかった。
その結果、元上司は精神的に疲れたため
現在は溜まっている有給休暇を消化しているとの事だった。
どちらいしても、うちの優秀な社員を追い詰めたのは
あなたの奥さんですからね、と言われて電話は切れた。
なんじゃこりゃて思ったよ。
あの会社は元上司の言う事を鵜呑みにしたとしか思えない。
とにかく、元上司は今フリーでつきまといが可能だという事が判った。
これはもうこの家に妻は置いておけないと判断して
家に友人を何人もよんで事情を説明して協力して貰って
妻をしばらく信頼の置ける友人の家に置いてもらうことにした。
連れだすときには妻に男装してもらって
後を付けられてないことを確認してから友人宅に行った。
盗聴の恐れもあったから家の中では目的地はディズニーと言っていた。
しばらく友人宅は隠語でディズニーだったなw
4日目の朝に奴は自ら突撃してくれた。
それまで接触も無かったし無言電話等も無かったので
こちらとしては動きようが無かったのだが
向こうから動いてくれて助かったとあの時は思った。
妻はどこだと聞かれて
あんたには教えたくない。と言ったら胸ぐら掴まれた。
ディズニーランド行ってると答えたら
それはない、あそこは僕と行くはずだから
一人で行くはずがないと言い出した。
それより胸ぐらつかむのやめてくれと言ったら
妻を出してくれたら考えてやると言い出すので
ディズニーですってと答えたらそれはもういいと
俺を突き飛ばした。
玄関先の出来事で、突き飛ばされた先が外で
この様子をばっちり見てる人がいて助かった。
突き飛ばされて、頭打ってその後のことを俺は知らないが
目撃証言と室内をしっかり荒らしたので
元上司は自爆して捕まった。
一番これが辛かったかな。
ケガは大したことなかったけど、打った場所が場所なので
すこし入院して、事情聴取も退院後になった。
家を荒された事もあるし、身バレ等もあって
退院後すぐに引っ越した。
元上司は実刑食らった。
ただ、こちらが思うほど長い刑でなくて
出所後の不安があったので
民事を起こして賠償責任と
つきまといの禁止を訴えた。
それと同時に元妻の職場にも弁護士を交えて話しあい
誤解を解いてもらうこと、こちらへの謝罪をすることをお願いした。
流石に元上司が在職のまま逮捕されたので
対応が早かった。みごとなまでの手のひら返しで
謝罪とお詫びとして幾らかの金銭で話がついた。
お金はいらなかったけれど
引越し費用を負担してもらう形にしてもらった
元上司のその後も把握してるが接触が無いとだけ言っておく。
今は平和だ。あの時世話になった友人には今も頭が上がらない。
妻も俺も今は平穏に生きてる。
ストーカー事件を見るたびに当時のことを思い出すが
俺たちは運が良かったと今でも思うわ。
ストーカーし放題
今なら録画も録音も簡単だっただろうし
警察ももっと早く動いてくれたと思う。
とにかく当時は動きは鈍くて
俺が突き飛ばされるまで事件にならなかった。
そういう時代だったよ。
引用元:http://ok-ch.net/thread/type/men/seq/75/