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553 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2016/07/17(日) 22:34:56 ID:P4f
友人(A)が壊れた話。長いので分けます。

私もAも中高一貫の私立校で、中学までAの成績は普通だった。でも高校に進学した途端Aの成績はうなぎ上りにあがっていった。
理由は、Aが英語の先生に恋をしたということ。
Aは授業のない日も質問するため必タヒに英語を勉強して、テストも学年1位とか珍しくなかった。
先生も裏で「あの子はすごいんだよ」と嬉しそうに褒めていたという。

2年生になると、なんとその先生が副担任になった。Aが泣きそうに喜んでいる姿は周りから見ても幸せそうだった。
英語を集中的にやっていたAは、「これからは全教科できるようにならなくちゃ」と決意を固めていた。
そのクラスは去年と違ってA以上にできる人間がいるとは思えなかったけど、Aは前にも増して勉強してた。
夏が始まるくらいの頃にとうとうAは過労で体を壊した。どんどん重症化し、一度倒れて担架で運ばれる事態になってからは本当に笑えなくなった。

2週間くらい経って、Aが机に座って突っ伏しているということがあった。例の先生の授業の前に。
先生が入ってきて授業が始まってもAは動かなかった。
先生は困った顔で「えー…コレどうしよう」「保健委員~コレなんとかしてよ笑」
Aは『コレ』と呼ばれ、先生が持っていたもので頭をはたかれた。5分くらいネタにされ続けた。
するとAはぐらりと首を回転させ、椅子から転げ落ちるように倒れた。そこでようやく担架が呼ばれた。
授業後に保健室を訪ねてみると、意識を取り戻したAは私を見て泣き出した。怖かった、と。
後ろから先生が来た。Aは悲鳴を上げて彼を拒絶した。

それからAは先生を見るたび過呼吸を起こすようになった。Aは全て聞いていたという。
熱で保健室に行くどころか話すことも動くこともできないなか、自分を『コレ』と呼び、頭を叩き、嘲笑う先生の声を。
「杀殳されるって思っちゃったんだ」Aはそう泣いた。大げさといえば大げさだった。
先生のしたことはちょっとしたからかいにすぎない。
それでも、誰より憧れていた人間に、あんな状況で、私だったら耐えられただろうか?
Aも、体調のいい時だったら笑って流しただろう。別の先生にされたことなら、その先生を嫌いになって終わっただろう。
なのにAは先生を嫌いになれなかった。その代わりに激しく恐れるようになった。先生の授業に出られないほど。
先生の目もタヒんでいった。泣いている姿が生徒にさえ見られるようになった。
担任の意向でAは休学。夏季授業も夏休み中も、会うことはなかった。
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