変化球な修羅場だけど、小学校時代にいつの間にか俺がクラスの中でいじめの被害者って事にされてしまった。

最初にぶっちゃけちゃうと、小学生時代の俺は足が短く、かつ太かった。
なもんだから、仲のいい友達からはからかい半分で『トン足』と呼ばれていた。
仲の良くないヤツに言われたら怒ったが、そういう事を言ってくる奴はそれまでほとんど居なかった。

…んだけど、小4の時に帰りの会の後の掃除をサボってたことが原因で、同じ班の女子とケンカになった。
で、その女子から「あんたそんなに足太いから掃除もろくにできないんでしょ、このトン足！」と言われてしまった。
ケンカで頭に血が上ってたこともあって、あまりに頭に来たんで近くにあった椅子蹴り飛ばして、
(ホントは女子を蹴りたかったが「やったらこっちが完全に負け」と考えれる程度の脳みそはあった)掃除バックれてそのまま家に帰った。

家に帰ってなお怒りが収まらないのでリビングでのたうち回って、数分暴れてたら汗かいたので風呂に入って汗流そうと考えて、そのまま風呂に直行。
当時の天文学的レベルに頭が悪かった俺は親から散々「夏でも水風呂なんか入ると風邪ひくからやめろ」って
何度も何度も注意されてるのに言うことを聞かず、冷たい水風呂で汗流すのが大好きだった。
で、その日も水風呂に。
首まで水風呂に入って少しじっとしてたら、ブチ切れフルブーストアクセル全力踏みっぱなしだった頭が徐々に冷えてきた。
「元々彼女が俺を『トン足』呼ばわりした原因は俺が掃除をサボったからじゃないか」
「彼女に言われた事はムカつくけど、俺も悪いことをしたんだ」
「よし、明日は誠心誠意謝ろう。許してもらえるかは別としてだけど」
と、水風呂に入りながら心までクールになった(と、思い込んだ)俺はその女子に謝る事を決意。
そのまま10分ほど『戒めのために』と水風呂に浸かり続けた。

……まあ、そんなバカな真似すりゃ風邪を引くのは当然でして。それも相当ゴッツいやつを。
にもかかわらず「バカは風邪ひかないって言うから俺は頭いいんだな。そうだよ、自問自答で自分の悪い所に気付けたもんな」
てな感じで自分の頭の悪さにちっとも気付けていないという本末転倒どころじゃないな結論を出してエヘエヘ笑った。
でもって、40度の超高熱出しながらニヤついてる俺を見て「あ、こりゃヤベェわ」って思った母親に病院に連れていかれ、
注射打たれて「2～3日くらい安静にしとけ。あと水風呂なんか入んなクソボケ」という医者の診断(ちなみにその医者が注射下手糞で地獄を見たけど、この件とは関係ないので割愛)。

学校休んだ4日間のうち、3日は頭痛と吐き気とだるさと耳鳴りに悩まされつつも、
通学時間の関係から見ることができないウゴウゴルーガをのんびり見れることに感動しつつ過ごした。