木. 11月 21st, 2024

459 :修羅場な話 2004/10/11(月) 18:17:17 ID:GOor9QAY
徹夜勤務と人間関係で精神的にも肉体的にもボロボロになって
電車に乗り、家路に向かっていた時の事。その電車の中でコンタクトを
落としてしまった。お昼前の車両には乗客はほとんどおらず、私は
四つん這いになって探していた。駅に着き、扉が開くと、遠足帰りらしい
幼稚園児の集団が乗り込んできた。その中の1人が、私に向かい、
「何してるの?」と聞いてきた。私が「落し物したの」と言うと、「ぼく
探してあげる」と、一緒になって探してくれた。ふと見ると、30人ほどの
園児と先生らしき人が全員でしゃがみこんで探してくれていた。しかし、
コンタクトはなかなか見つからず、遂に電車は終点に着いてしまった。
私が皆にお礼を言うと、園児の1人が、「これあげる」と小さな袋を
差し出した。見ると、花の種だった。私が「いいの?」と聞くと、「うん!」
と笑顔で元気に答えてくれた。すると他の園児たちも、「ぼくも」「わたしも」と
次々に私に花の種の袋をくれようとする。私は戸惑い、先生に向かって
「せっかくの遠足の思い出の品なのに頂いてよろしいのでしょうか?」
と言うと先生は「いいんですよ。あなたに出会えて、みんな、人に親切にする
ことの大切さが学べましたから、それが何よりの思い出になるでしょう」
と言ってくれた。私が感極まって目に涙を浮かべると、皆が「泣かないで」
と言い、誰からともなく合唱が始まった。歌の間中、涙が止まらなかった。
何度もお礼を言い、家に着いた私は小さな庭一面に、天使たちからもらった
花の種を植えた。今、私の家の庭には色とりどりの花が咲いている。
辛い時や苦しい時、私は庭に出る。庭の真ん中に立ち目を閉じると、
あの日の光景が脳裏に浮かぶ。大勢の笑顔、歌声。そのたびに、私の決意は
新たになる。どんな苦しい事があっても頑張ろう、と。
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