修羅場と言うほどではないかもしれないが、何年か前に母が救急車で運ばれた時が大変だった。ややフェイクあり。

その日は休日で自分は学校の友人と遊びに行っていて、帰宅したのは夕方。
玄関で「ただいまー」と声をかけたとたん、「救急車呼んで～」と母の声がした。
はい！？と声のするほうに行くと、母がトイレで苦しそうにうずくまっていた。
後で聞いたところ、腹痛がして吐いたり下痢をしたりしていたらしい。
歯医者や健康診断以外で病院にかかったことがない母のそんな姿を見たのは生まれて初めてで、私パニック。母も母で腹痛で半ば意識朦朧。父は仕事で遠方。
つまり、まともな判断ができる大人がその場にいなかった。
とりあえず、携帯で１１９を（生まれて初めて）したんだが、

『容態はどんな感じですか？』
私「お母さん、どうしたの？お腹痛いの？」
母「うーんうーん……け、携帯貸して……」
私「は？携帯？自分で説明すんの？」
母「……（ピッ）……」
私「なんで切っちゃうの！？」

と、かなりグダグダ。
この後、向こうからまたかかってきて、すいません、いたずらじゃないんです、と謝りながらどうにか救急車を呼ぶことに成功。人生で初めて救急車に乗った。
で、そこからがまた大変だった。いや、一番大変だったのは間違いなく腹痛で苦しんでいた母だったんだが、
私は私で救急車内で書く書類と格闘して自分の世間知らずっぷりを痛感していた。
自分から見た母の続柄は当然、「母」だが、母からみた私の続柄ってなに？　子供？　娘？　第一子！？（後で、「長女」だと教えてもらった）となったり
母の誕生日は知ってるけど、お母さんって昭和何年生まれ！？となって、救急隊員さんに（西暦）年って昭和何年ですか！？って聞いたり（結局母がうんうんうなりながら「昭和○年～」と答えていた）。
医療保険の種類を知りたい救急隊員さんに「お母さんの仕事わかる？」と聞かれて「？医療関係です」みたいな超おおざっぱな答え方をして困らせたり（結局母がｒｙ）
一番大変だったのは母だった（二回目）。

ちなみに診断は胃腸炎で、その日のうちに薬もらって帰宅できた。
直前にこんなパニック起こしていたにも関わらず、病院で見てくれた医師や看護師さんにはなぜか「しっかりした娘さん」評価を得ていたらしいのが不思議。