月. 11月 25th, 2024
727:おさかなくわえた名無しさん2009/09/07(月) 00:07:30 ID:FvoBHh5S
5歳の時、夜中に母に起こされて服を着替えさせられた。
母は何も言わずに私の服のボタンを留めていたが私はもう眠くて眠くてぐずり始めた。
すると廊下にいた父が「もういい」と言って、私はまたパジャマに着替えさせられて寝た。

次の日また母に夜中に起こされ着替えさせられた。
母は私のボタンを留めながら小声で「昨日みたいに泣きなさい、早く」というのだが
私はボーッとしてただボタンを留めていく母の指を見ていた。
すると今度は3歳の弟が眠いとぐずりだした。またもや父が「もういい」と言い、その日も就寝した。

次の日、母は私と弟を車に乗せ母の実家に向かった。
後ろを見ると父が大きく手を振っていたので弟と
「いってきまーす。お土産買ってくるねー」父に大きく手を振り返した。

その後家には帰らず、両親の離婚が成立し、父とは二度と会うことはなかった。

成人してから母に当時のことを聞くと、夜中に起こされた時、実は一家心中一歩手前だった。
仕事が行き詰まっていた父がみんなでタヒのうと母に包丁を突きつけて母は逆らうこともできず
途方に暮れながら私を起こしたらしい。
「あんときアンタが泣いてくれてどれだけ助かったか。それなのに次の日のアンタはボーッとして
 泣いてくれないし」

ちなみに母子で父の元を逃げた日、父の手には出刃包丁が握られていたそうな。
「あれはのどかに手を振ってたんじゃないわよ。私たちを刺そうと振り回していたのよ。
 何でアンタ達ニコニコ手を降っているのかと思ったわよ」
当時の子供の目には包丁は認識していなかったよ。

しかし子供が泣くだけで心中一端は思いとどまるあたり父もまだ迷っていたんだろうかとふと思う。
続きを読む