木. 11月 21st, 2024
【中編】奇妙なことが起きだした。すれ違った人の顔が一瞬母親の顔に見える。あれ?っと思った瞬間には、別人だと気がつく。1日に4〜5回。これってもしかして…( ;゚Д゚)ガクブル
56: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2014/09/14(日) 00:43:51.52 ID:s8S6PYXy0.net
次の日の朝、7月19日。 

家族3人で担当医師のところへ行くと、カウンセリングルームへ通された。 

その部屋には俺ら3人のほかに医師やコーディネーターさんなど7人くらいいた。 

直感で良くないことなんだと思った。 

良い知らせなら担当医師1人で充分だ。 

悪い知らせだからこそ、フォローするためにこんなにたくさんの人がいるんだろう。 

医師がゆっくり説明しだした。 

腎臓も良くならないし、感染症のせいもあってか肺炎がどんどん悪くなっていっている。 

ついには最後まで頑張ってた移植したばかりの肝臓もつられるように悪くなり始めた。 

正直言ってここでこうして話している間にも心臓が止まってもおかしくない。と 


3人とも何も言葉が出ない。 

妹は医師の顔をじっと見ていた。 

父親はずっと下をうつむいていた。 

俺は「もう何もできることはないんですか?」ときいた。 

「いえ、まだ試していない治療もあります。もちろん私らはあきらめてはいません。」 

そういうと一呼吸おいてから 

「ただ、、、さっきも言ったようにいつ心臓が止まってもおかしくない状態です。だからもし、心臓が止まったとき、、、どうしますか?蘇生しますか?、、、一度止まってしまうと、お母さんの場合は内臓がボロボロなんで正直言ってそこから回復するのは厳しいです。」 


医師は顔を上げている俺に向かってそう言った。 

俺は父親のほうを見た。 

父親は目を真っ赤にして、震える声で搾り出すように「できるとこ、、、まで、、、やってほしい、、、よな?」と俺に言った。 

つまり心臓が止まっても蘇生して欲しいということだった。 

俺も気持ちは一緒だった。
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