952 :伝説の鬼女 ~修羅場・キチママ・生活まとめ~ 2012/03/13(火) 19:03:31 0
祖父母は、孫の私から見ても仲の良い夫婦だった。特に祖父が、天然風味の祖母にベタ惚れ。
明治生まれのかくしゃくたる厳しさを持ちながらも、祖母をいつもエスコートしていた。
そんな祖父が寝たきりになった時、祖母はいつも、隣に寄り添って話しかけていた。
祖父はもう言葉もわからくなっており、自宅で寝たまま、タヒを待つばかりだったんだけどね。
ある朝、いつものように「おじいさん、おはよう。今日は良い天気だよ~」と話しかける祖母。
その瞬間、目を開いた祖父。いつもの眠たいような目ではなく、ぱっちりと。
「あら、おじいさん!今日は気分が良いんだね?良かったね~!プリン食べるよね?」
と、ハイカラな祖父が大好きなプリンを、口を開かせせっせと食べさせる祖母。
…が、なにかおかしい。飲み込まない?と不安になった祖母、息子(私の父)を呼んでみた。
「おじいさんがプリン食べないんだけど…」と、言われ、「どれ?」と父親の様子を見た息子、仰天。
「おばあちゃん!おじいちゃんは気分が良いんじゃない! 瞳 孔 開 い て る !!」
それから一気に修羅場。必タヒに胸を押す父と息を吹き込む祖母。主治医に電話する母。
身内がやる人工呼吸って、辛いらしいね。諦めるタイミングとを図るのがね。
どんなにもうダメだと思っても、永遠に続けたくなるらしいね。両親と祖母が言ってた。
主治医が来るまで粘った3人は「あれほど辛いことはなかった」と、話していたよ。
お通夜の時、その悲しい話を黙って聞いていた我が姉がひとこと。
「う~ん、でもさ。誰が一番修羅場だったって、実は、祖父なんじゃない?」
………確かに!!瞳孔が開いていたから意識も苦痛もなかったと思うけど、
いまわの際に、愛妻から口にプリン突っ込まれたおじいちゃんが一番の修羅場だ!!
もうね、そう思うと、94歳での文句が付けようのない大往生だったこともあり、
家族全員で泣きながら大笑いをしてしまったよ。「おじいちゃん、お疲れ様!」って。
祖母も笑ってた。顔を涙でクシャクシャにして「私ったらねぇ…」と。
でも、そんな祖母が好きだったんだ、祖父は。いつも笑っていたんだ、愛おしそうに。
…祖父が亡くなって早10年。実家では、祖父の仏壇にプリンだけは供えませんw
明治生まれのかくしゃくたる厳しさを持ちながらも、祖母をいつもエスコートしていた。
そんな祖父が寝たきりになった時、祖母はいつも、隣に寄り添って話しかけていた。
祖父はもう言葉もわからくなっており、自宅で寝たまま、タヒを待つばかりだったんだけどね。
ある朝、いつものように「おじいさん、おはよう。今日は良い天気だよ~」と話しかける祖母。
その瞬間、目を開いた祖父。いつもの眠たいような目ではなく、ぱっちりと。
「あら、おじいさん!今日は気分が良いんだね?良かったね~!プリン食べるよね?」
と、ハイカラな祖父が大好きなプリンを、口を開かせせっせと食べさせる祖母。
…が、なにかおかしい。飲み込まない?と不安になった祖母、息子(私の父)を呼んでみた。
「おじいさんがプリン食べないんだけど…」と、言われ、「どれ?」と父親の様子を見た息子、仰天。
「おばあちゃん!おじいちゃんは気分が良いんじゃない! 瞳 孔 開 い て る !!」
それから一気に修羅場。必タヒに胸を押す父と息を吹き込む祖母。主治医に電話する母。
身内がやる人工呼吸って、辛いらしいね。諦めるタイミングとを図るのがね。
どんなにもうダメだと思っても、永遠に続けたくなるらしいね。両親と祖母が言ってた。
主治医が来るまで粘った3人は「あれほど辛いことはなかった」と、話していたよ。
お通夜の時、その悲しい話を黙って聞いていた我が姉がひとこと。
「う~ん、でもさ。誰が一番修羅場だったって、実は、祖父なんじゃない?」
………確かに!!瞳孔が開いていたから意識も苦痛もなかったと思うけど、
いまわの際に、愛妻から口にプリン突っ込まれたおじいちゃんが一番の修羅場だ!!
もうね、そう思うと、94歳での文句が付けようのない大往生だったこともあり、
家族全員で泣きながら大笑いをしてしまったよ。「おじいちゃん、お疲れ様!」って。
祖母も笑ってた。顔を涙でクシャクシャにして「私ったらねぇ…」と。
でも、そんな祖母が好きだったんだ、祖父は。いつも笑っていたんだ、愛おしそうに。
…祖父が亡くなって早10年。実家では、祖父の仏壇にプリンだけは供えませんw