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110 :修羅場な話 2017/07/30(日) 15:41:52 ID:GjiYEsdU.net
まだ誰もがケータイを持つ時代ではないころの俺の家族の修羅場。
三歳くらいだった俺自身の記憶はなく兄貴と母親からの又聞なので多少おかしいところはあるがご容赦。
父親、兄貴、俺の三人で父親の勤務先に行った時のこと。
日曜日なので勤務先は無人で俺ら三人だけ。そこで俺が便意を催した。
父親は兄貴にしばらく待つよう言い残して、俺をトイレに連れて行った。

おとなしく待つ兄貴、と言っても小学校に入る前の小さな子供だから一分ほどで孤独に耐えきれず、
俺らの後を追ってトイレを探すもどこがトイレかわからず、広い会社の敷地のなかで迷子になった。
兄貴はそのまま敷地の外に飛び出してしまい、幸か不幸か通りかかったのがタクシー運転手。
息子が兄貴と友達だったため顔見知りで、とりあえず車を停めて兄貴に声をかけた。
混乱した兄貴はうまく説明できないため、困った運転手は兄貴を乗せて自宅に送り届けた。

勤務先から自宅まで、15分くらいか。自宅にいたのは母親。ここからは母親からの伝聞。
兄貴が迷子になってたから送り届けたよ、と運転手が来たからパニックに。
しかたなくタクシー代を払ってすぐに勤務先に電話をかけても誰も出ない。
恐らく父親は俺の手を引きながら兄貴を探していたと思われる。

何分たったか知らないが、父親から自宅の母親に「兄貴が消えた」と電話が来て、
ようやく兄貴が家に帰ってきたことを説明できて修羅場は終わったが、
兄貴の失踪に青くなって探し回っていた父親、
連絡が取れないため困惑してウロウロしていた母親、
自責の念に駆られて泣きまくっていた兄貴、
と三者三様の修羅場を、俺だけは全く理解していなかった。
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