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260 :ぽめぷー速報 ~修羅場・キチママ・生活まとめ~ 2010/02/10(水) 21:46:23 ID:zhrp3tkf
数年前に某携帯ショップで働いてた。
その時はリーダーの30代のおばさんと私の二人のシフトで、若い男忄生.が解約に来た。
普通に手続き済ませて、お決まりで「宜しければ理由を教えて下さい」的な事を
最後に言うんだけど、まあ大体あやふやか、そう細々と話してくれる事は当然ない。

でも、その人はちょっと黙って、それからぽそっと「…もう、先が長くないんですよ」
私らは一瞬意味がわからず反応出来なかったんだけど、お構いなしに、堰を切ったように話しだした。
「もう手術しても遅い、全身に広がってる。薬とかで遅らせても苦しいだけ。
だから何の処置もしない事に決めた。半年、或いはその半分ももたないけど。
今日は携帯解約して、明日は部屋を引き払う。私物は全部処分して、ちょっとぶらぶらして、
いよいよ動けなくなる前に、病院に行く」と途切れ途切れに話してくれた。
抑揚もなく、訥々と話すのを聞いてる内に漸く事情が呑み込めた。

リーダーの方が早く立ち直ってて、「差し出がましいですが、ご家族は?」と尋ねるも、
「そんなの、いやしませんよ」と返ってきただけだった。
それじゃ、と言って店を出ようとするので、咄嗟に「有難うございました」と言ってしまった。
今思えば何が有難うだ、気を使えよって自分でも思うけど、何か言わないとと思った。
でも、ごめんなさいとか頑張れってのは違うと思った。
その人は表面上は気を悪くした風もなく、ちょっと困ったように笑って、
「聞いてくれてありがとう」といって、とうとう出て行ってしまった。

今はもうその仕事はしてないけど、携帯ショップとか見かけるとたまに思い出す。
あの人が覚悟を決めていたのか、それとも諦めていたのかは分からないけど、
生とかタヒとか、そういうのをすごく衝撃的に印象付けられた。
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