金. 11月 22nd, 2024
89 :きまぐれ鬼女 2012/11/30(金) 22:12:52
俺の嫁はハイスペック。ルックスも良く、背は俺よりも高い。
会社では管理職にあり、毎朝スーツで出掛ける姿を見て惚れ惚れしてしまう。
方屋、俺はちっぽけな自営業で、年収でいったら嫁の半分ちょいしか稼げていない。
お互いに初婚で俺は50才、嫁は29才と周囲から散々冷やかされつつ結婚した。

「ホントに俺でいいのか?」
「俺ちゃんがいいの。そうじゃなきゃ嫌なの」

交際中に何度も繰り返した会話だ。
だってそうだろ?才色兼備に料理上手だぜ。引く手数多に決まってるだろ。
それが、なんだってこんな冴えないおっさんにくっついて来るんだよ。
正直なところ、何か裏があるんじゃないかと考えた事もあるが、狙われるような資産が
ある訳でもなく、年老いた母親との二人暮らしで、好材料がどこにも見当たらない。

俺は若い頃に婚約者を亡くしており、この年になると結婚は考えもしなくなっていた。
それを結婚に踏み切らせた嫁は俺の母親とも仲が良く、二人で出掛ける事も多い。

母は山菜採りやキノコ狩りが大好きなのだが、車の運転が出来ないので友人や知人に
連れてもらっていた。相手の都合次第なので、行きたい時に行けないと寂しそうに言う。

「私が乗せて行きますから、連れてって下さい!」

嫁は俺と違って億劫がらずに、有給休暇を取ってまで山へ連れて行く。そして、二人とも
ハケゴを一杯にして帰って来る。帰りの道中に次は何処へ何を採りに行くのか決まって
いるようだ。母の健脚ぶりに舌を巻き、そんな事を嬉々として話す嫁。
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