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117 :伝説の鬼女 ~修羅場・キチママ・生活まとめ~ 2020/10/17(土) 10:30:58 ID:FDsdziwF.net
脱走した犬が赤ちゃん銜えて戻ってきた修羅場。

30年以上昔の田舎で起きた出来事。
先に言ってしまうと、その赤ちゃんが私。
私の地元では「土地」や「畑」の単位はすべて「山」。
うちは農家で代々秋田犬を多頭飼いしていて、犬用に山の一角をフェンスで囲って運動場を作ってある。当時は老犬一頭含む四頭いた。
元は雑木林と果樹畑だったところを潰したもので、都会のドックランと違って急斜面と凸凹な天然アスレチック仕様。人間が農業に励む間、犬たちはそこで走り回ったり、穴を掘ったりして自由に過ごしている。
うちの犬は家族に対しては忠実(絶対守るマン)だけど、猪と喧嘩しても勝つようなコたちだから脱走させないよう日頃から対策しているし、逃げないよう犬の躾もしてある。
老犬は当時12才。家のなかの階段で「上まで連れて行け」と家族を見上げるようになっていた。
運動場で走り回る元気はなかったから、畑の周辺を五分くらいゆっくり散歩させるのが常だった。
いつも軽トラに祖父と父と若い三頭、老犬と祖母、母がワゴンに乗る。
その日は老人ホームで暮らす曾祖母が一時帰宅してきて、当時6才だった兄も一緒だった。
車で山に向かう途中、曾祖母の膝に乗ってまったりしていた老犬がいきなり吠えはじめ、元ボスが吠えたことにつられたのか軽トラの荷台につながれた三頭まで吠えはじめたそうだ。今まで見たこともないほど興奮して手がつけられない状態になったらしい。
犬たちは暴れたわけではなく、何かを必タヒに訴えていたそうだ。
慌てて車二台を停車させて、犬を落ち着けようとした人間を振り切って、老犬が脱走。一目散に走って行った。
父と祖父が青くなって追いかけたけど、老犬とは思えない速度であっという間に雑木林に消えて行った。
残された三頭も興奮したままで、家族は「あいつ走れたのか」と呆然としていた。
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